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なぜ60年も走れるのか?伝説の名車「東急7000系」の解説と2026年も乗れる路線とは?

2018年11月24日、東急池上線・多摩川線の代名詞として親しまれた名車「7700系」が惜しまれつつ引退しました。

あれから幾年月が流れましたが、SNS上では日本各地で当時の勇姿を振り返る投稿が絶えず、その人気の根強さを物語っています。

7700系は、初代「7000系」を現代的にアップデート(マイナーチェンジ)した改造車両ですが、その始祖となった7000系が日本の鉄道史に刻んだ功績は計り知れません。

東急線からは姿を消したものの、その頑丈な車体を活かし、2026年現在も日本各地の地方私鉄で現役として走り続けています。

今回は、引退から月日が経った今だからこそ、最新の稼働状況を参考に、東急7000系・7700系が活躍する場所や路線について紹介します。

7000系の事を知りたい方、もっと活躍を見てみたい方、今からでも乗りに行きたい方に今回の記事はおススメです。


東急7000系の誕生と歴史

今から60年以上も前の1962年(昭和37年)、日本の鉄道界に革命を起こす車両が登場しました。それが東急7000系です。

弘南鉄道の7000系・デビュー当時は無塗装の銀色でした。

この車両の最大の特徴は、日本初の「オールステンレス」構造を採用したことにあります。それまで主流だった鋼製の車両は、時間の経過とともに錆が生じるため、頻繁な塗装メンテナンスが不可欠でした。しかし、錆に強く銀色の輝きを失わないステンレス車両の登場は、当時の鉄道関係者にとって革命をもたらした出来事でした。

現在では当たり前となった「銀色の電車」の先駆けであり、デビューから50年以上の長きにわたって第一線で活躍し続けたその耐久性は、まさに伝説級の車両です。


日米技術の結晶から全国へ

7000系の誕生には、日米の高度な技術提携がありました。1946年創業の東急車輛製造(現・総合車両製作所)が、世界的なステンレス加工技術を持つ、アメリカのバッド社と技術提携を結びました。そしてバッド社のライセンスに基づき、7000系を東急車輛が製造しました。これにより本格的なオールステンレス車の国内生産が可能となったのです。

日本初のステンレス製の車両として東急7000系の他に、京王電鉄(当時:京王帝都電鉄)3000系・南海電鉄6000系が製造されました。いずれも登場から60年以上たっていますが、その銀色に輝くステンレス製の車体は見劣りせずに各地で活躍を続けています。

1962年のデビュー後、東横線の渋谷〜桜木町間で運用を開始。さらに、地下鉄日比谷線への相互直通運転、田園都市線、大井町線、目蒲線と、東急の主要路線を網羅する主力車両として君臨しました。

この時確立された「無塗装のステンレスボディ」という意匠は、その後の8000系や8500系、9000系といった東急の黄金時代を支える名車たちへと脈々と受け継がれていくことになります。

東急8500系 7000系以降ステンレス製の車両設計が続いています。

1990年代に入ると、冷房化や電装品の更新(VVVFインバータ化)を施された「7700系」へとマイナーチェンジされます。そして池上線や多摩川線へと活躍の場を移しながら、2018年11月24日までの長きにわたり活躍を続けてきました。


7000系からの派生形 7200系・7600系・7700系の違いとは?

7000系を深掘るなかでマイナーチェンジされた形式、すなわち「派生形」があります。それは7200系・7600系・7700系、そして7000系の4種類があります。しかし見ただけだと違いが分からないかと思います。

いったい何が違うのか、分かりやすく解説します。

まずは7000系についてです。1962年にデビューし、正面のデザインが切妻になっています。走行機器に「抵抗制御器」を積んでいるところが今の電車と違います。

弘南鉄道7000系・やや丸みのある切妻形状

次に7200系について、こちらは1967年と少し遅いデビューとなります。正面が7000系と違って前にせり出しており、横から見ると「く」の字に見えるダイヤモンドカットがデザインの大きな特徴です。7000系と同じく抵抗制御器を積んでいますがその他に冷房を搭載しやすいように設計されました。

引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E6%80%A57200%E7%B3%BB%E9%9B%BB%E8%BB%8A

そして7600系について、デビューは1986年と7200系からおよそ20年後にデビューしています。その理由は7200系の車体を再利用し、走行機器をVVVFインバーター制御に積み替えているからです。これにより抵抗制御器と比べて大幅に消費電力を抑えることが出来ました。見た目はダイヤモンドカットが美しい7200系のままで性能はハイテクになったのが7600系ということです。

最後に7700について説明します。こちらは7000系の車体を再利用して走行機器をVVVFインバーター制御器に変更されています。7000系デビューから25年後の1987年にデビューしています。7700系に改造されてからは池上線と多摩川線の運用につき、引退までの間活躍しました。

多摩川線・新丸子駅付近を走行する7700系 ボディは7000系から流用しています。

これらの違いを一つの表にまとめてみました。

形式見た目の特徴中身(制御方式)
7000系切妻抵抗制御
7200系ダイヤモンドカット抵抗制御
7600系ダイヤモンドカットVVVF
7700系切妻VVVF

この表を見比べると、ステンレス製の車体を再利用できるほど頑丈で長持ちすることが分かります。ではステンレスがこれだけ長く使える理由とは何なのでしょうか?次の章をご覧ください!


ステンレス車の圧倒的なメリット:なぜ「長寿」なのか?

それではなぜ7000系シリーズは、これほどまでに長く走り続けられるのでしょうか?正解はステンレスという素材の特性にあります。

  1. 耐食性(錆びない強さ): 湿気、塩害、雪害に対して圧倒的な耐性を持ちます。特に海沿いを走る路線や積雪地域において、車体の腐食がほとんど進まないことは最大の利点です。実際に同時期に製造された南海電鉄6000系は登場から60年以上活躍しており、南海電鉄が走る和歌山県の沿岸部からの潮風や山間部の大雪にも耐えられるほどの頑丈さを持っています。
  2. 高い強度と安全性: 鋼製車両と比較して引張強度が非常に高く、外部からの衝撃に対しても強い抵抗力を持ちます。万が一の事故の際にも車体が壊れにくいという特性は、当時の鉄道車両において格段の安心感をもたらしました。
  3. メンテナンスコストの削減: ステンレスは錆びないため、鋼製車両のように全身を塗装(サビ止め)する必要がありません。これはステンレスが鉄とクロムの2種類の金属からできた「合金」であり、仮に車体に傷がついても酸化が早いクロムが透明な皮膜をつくるので鉄が錆びなくなるという仕組みです。なので塗装をする手間が省けるのです。現代の通勤電車の多くが「銀色の車体にラインカラーの帯」というシンプルなデザインなのは、この塗装コストの大幅な削減が可能になったからです。1962年当時の「無塗装・銀一色」という姿は、機能美の極致だったと言えるでしょう。

2026年最新版:まだまだ乗れる!地方で輝く東急7000系・7700系の活躍

東急線での役割を終えた後も、17m級の小柄な車体で扱いやすく、何より車体が極めて頑丈な7000系・7700系は全国の私鉄から重宝されています。2026年現在、私たちが実際に乗車できる主な鉄道会社をまとめました。

路線名(都道府県)形式ポイント
弘南鉄道(青森県)7000系雪国という過酷な環境下でも、ステンレスの防錆性が遺憾なく発揮されています。
北陸鉄道(石川県)7000系石川線・浅野川線で運用されています。
水間鉄道(大阪府)7000系1000形として活躍、関西圏で東急の系譜に触れられる唯一のスポットです。
豊橋鉄道(愛知県)7200系渥美線で活躍、さまざまな色に塗装されています。
大井川鐵道(静岡県)7200系以前は十和田観光電鉄で活躍していました。
養老鉄道(岐阜県・三重県)7700系東急線で最後まで活躍していた車両が移籍し、現在も主力として活躍しています。
総合車両製作所 横浜事業所7000系(デハ7001)記念すべき第1号車が産業遺産として大切に保存されており、日本の鉄道近代化の象徴としてその姿を今に伝えています。

今回のまとめ

いかがでしたでしょうか?日本初のステンレス車両、東急7000系とそこから改造を受けた7700系は登場から60年以上たった今でも地方で活躍しています。主に地方の私鉄で走っているので乗ってみたいという方はぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか?

もし旅先で銀色の7000系を見かけたら、ぜひ乗って確かめてみてください!

今回は記事執筆にあたり「東急7000系~日本初!オールステンレスカー完成50周年記念~」を参考にいたしました。ステンレスカーについて深く知れる1本なのでこちらを見るのもおすすめです!

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